古物営業の法令違反に注意!罰則や処分について解説

古物商許可について解説

古物営業の法令違反に注意!罰則や処分について解説

1.古物営業法に規定される罰則(刑罰編)

①罰則一覧
罰則内容法令違反行為関連条文
3年以下の懲役 または100万円以下の罰金※許可取消しの可能性あり無許可営業、名義貸し、不正手段による許可取得、営業停止命令違反第3条、第9条、第24条
1年以下の懲役 または50万円以下の罰金古物商の営業制限違反第14条
6月以下の懲役 または30万円以下の罰金古物市場での取引制限違反、確認義務違反、帳簿記載・備付け義務違反、帳簿毀損届出義務違反、品触書保存・届出義務違反、差止め物品保管義務違反、競りの中止命令違反第14条第2項、第15条第1項、第16条~第19条、第21条
20万円以下の罰金競り売り届け出義務違反、許可申請書等虚偽記載第10条、第5条第1項
10万円以下の罰金立入検査拒否、許可証返納義務違反、許可証携帯義務違反、報告義務違反、標識掲示義務違反、変更届出義務違反第22条、第8条、第11条、第12条、第7条 ほか
拘留または科料過失による品触れ届出違反第19条第5・6項
5万円以下の過料許可証再交付時の返納義務違反第8条第3項
②違反行為と罰則についてピックアップ
①−1 無許可営業の罰則

古物商許可を取らずに営業を行うことは「無許可営業」に該当し、古物営業法の中で最も重い罰則が規定されています。

例えば、リサイクルショップの開業や、中古品の転売(せどり)で許可を取らずに始めてしまうケース

無許可営業の罰則について

  • 罰則内容
    • 3年以下の懲役または100万円以下の罰金(併科される場合もあり)
ポイント:知らなかったでは済まされないので注意

近年はインターネット上での中古品販売やせどりが一般化し、許可が必要であることを知らないまま営業を始めてしまう人が増えています。

中古品を扱う場合には、必ず古物商許可を取得しましょう。

①−2 名義借り・名義貸しの罰則

他人の古物商許可を借りて営業することを「名義借り」、また自分の許可を他人に貸すことを「名義貸し」と言い、いずれも違反行為となります。

例えば、許可取得を面倒に感じた人が、知人から名義を借りて営業する、法人が持つ許可を、社長が個人取引に流用するなどが挙げられます

法人許可と個人許可は別物です。
知らず知らずのうちに「名義借り」に該当してしまうこともあるため注意が必要です。

名義貸しの罰則について

  • 罰則内容
    • 3年以下の懲役または100万円以下の罰金(併科される場合もあり)
①−3 許可申請書等の虚偽記載の罰則

古物商許可を申請する際に、提出書類へ虚偽の内容を記載する行為は「許可申請書等虚偽記載」にあたり、処罰の対象となります。

許可申請書等の虚偽記載の罰則について

  • 罰則内容
    • 20万円以下の罰金

故意に虚偽を記載した場合はもちろん、誤記や不正確な記載も審査に影響します。
また、正確な情報を記載しない限り、古物商許可は取得できません。

申請書類は細心の注意を払って作成する必要があります。

2.古物営業法に規定される罰則(行政処分編)

①行政処分一覧
行政処分対象行為・内容根拠条文
許可の取消し・古物営業の実態が6ヶ月以上存在しない
・古物商の所在が3ヶ月以上不明(簡易取消しを含む)
・許可の欠格事由に該当することが判明した
・古物商または従業員が古物営業法等に違反した
・公安委員会の処分に違反した
古物営業法第6条
営業の停止・古物商または従業員が古物営業法等に違反した
・公安委員会の処分に違反した
⇒ その結果「盗品等の売買防止」や「盗品等の速やかな発見」が著しく阻害されるおそれがある場合※6ヶ月以内の範囲で停止命令。重い場合は取消しもあり
古物営業法第24条
指示・「営業停止」の原因となる行為があった場合
・適正な古物営業の確保のため、公安委員会が必要な措置を文書で命じる※従わない場合は営業停止処分に移行する可能性あり
古物営業法第23条
②行政処分についてピックアップ
②−1 許可の取消

古物営業の実態が6ヶ月以上存在しなかったり、古物商の所在が3ヶ月以上不明(簡易取消しを含む)などあった場合には、古物商許可が取り消される場合があります。

ポイント:営業所調査で発覚する

警察(公安委員会)の営業所への立入調査される可能性は十分にあります。

警察職員は営業時間中に営業所、仮設店舗、古物の保安場所、古物市場、セリ売りの場所に立ち入り、古物や帳簿等を検査し、関係者に質問することができます。(福岡県警察本部生活保安課発行古物営業ガイドより引用)

つまり、警察署が営業所へ立入調査をすることは権利として認められていると言うことになります。

立入や検査を拒否、妨害または忌避したものは10万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

営業所調査の結果、営業の実態がなかったり、営業所の住所が変わっているのにも関わらず、変更届を出していないことが発覚した場合には許可を取り消される可能性がありますので注意しましょう。

詳細は過去の記事で解説していますので、下記からご確認ください

詳細はこちらから

3.古物営業法に違反すると欠格要件に該当してしまうので注意

古物営業法に違反した場合には、単なる罰金刑にとどまらず、許可の取消しといった重大な処分を受ける可能性があります。こうした処分を受けると、その後一定期間「欠格要件」に該当してしまい、新たに古物商許可を取得できなくなる点に注意が必要です。

欠格要件に該当する具体的な条文は以下のとおりです。

古物営業法 
第4条第6項『禁固以上の刑に処せられ、又は第31条(罰則)に規定する罪若しくは刑法に規定する罪を犯して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなった日から起算して5年を経過しない者』

『禁固以上の刑に処せられ、又は古物営業法第31条に規定する罪若しくは刑法第235条(窃盗罪)、第247条(背任罪)、第254条(遺失物横領の罪)若しくは第256条第2項(盗品等運搬、盗品等保管、盗品等有償譲受け、又は有償の処分あっせん)に規定する罪を犯して罰金の刑に処せられ、その執行を終り、又は執行を受けることのなくなった日から起算して5年を経過しない者』

『古物営業の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して5年を経過しない者(許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所が公示された日前60日以内に当該法人の役員であった者で当該取消しの日から起算して5年を経過しない者を含む)』

古物営業法(e-GOV法令検索)

4.まとめ

以上、古物営業の法令違反に注意!罰則や処分について解説しました。

古物商許可は簡単に申請できると思いがちなのですが、慣れていないと非常に時間がかかってしまいます。

申請書類の記載内容を間違えていたり、不足書類があったりすると、再度提出が必要です。

ポイント:警察署に最低2回はいく必要がある

その上、提出先は警察署。提出は平日のみ。休日は受け付けてくれません。

さらに、申請と許可証の受領で平日に最低でも2度は警察署へ足を運ばないといけません。

普段の業務を行いつつ、申請書類の作成する時間や警察署に平日に行く時間などなかなか作れないのではないでしょうか?

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