【古物商許可】疏明資料とは?必要な書類やよくある失敗を解説

【古物商許可】疏明資料とは?必要な書類やよくある失敗を解説
古物商許可の申請準備を進めていると、警察署の窓口や申請の手引きで「疏明資料(そめいしりょう)」という見慣れない言葉に出会います。
「証明書のことだろうか」「何を用意すればいいのか」と、そこで手が止まってしまう方は少なくありません。
今回は、古物商許可でいう疏明資料とは何か、根拠となる条文、認められる資料・認められない資料、そして実際によくある不備までを整理して解説します。
1.疏明資料とは?

疏明資料とは、ひとことでいうと「その事実が一応確からしい、と警察署に納得してもらうための資料」のことです。
読み方は「そめいしりょう」です。
①「疎明」は「証明」よりも緩い
ポイント:公証人や第三者機関のお墨付きまでは求められない
法律の世界では、「証明」と「疎明」ははっきり区別されています。
証明は、判断する側が「間違いなくそうだ」と確信できる状態まで持っていくこと。
一方の疎明は、「一応、確からしい」と推測させる程度で足ります。
古物商許可でいえば、そのURLが本当に申請者のものだと100%立証する必要はなく、「このページは確かにこの人が使っているようだ」と担当者が納得できれば十分、ということです。
だからこそ、疏明資料は自分で印刷したマイページやドメイン登録時のメールといった、ごく身近な資料で足りることがほとんどです。
「わざわざ公的な証明書を取りに行かないといけないのでは」と身構える必要はありません。
②法令上は「疎明」、実務では「疏明」とも書く
ポイント:「疎明」と「疏明」はどちらも同じ意味
調べていると「疏明資料」と「疎明資料」の2つの表記が出てきて戸惑うかもしれませんが、どちらも同じものを指しています。
法令の条文では「疎明」の字が使われており、後述する古物営業法施行規則にも「疎明する資料」と書かれています。
一方で、警察署の窓口の案内や実務の現場では「疏明資料」と書かれることも多く、当サイトでもこちらの表記を使っています。
「疏」は「疎」の異体字で、意味の違いはありません。
どちらの表記で案内されていても、同じ書類のことだと考えていただいて問題ありません。
2.古物商許可で疏明資料が必要になる場面

①ホームページやネットショップを利用して古物取引する際に必要
古物商許可の申請で「疏明資料を出してください」と言われたら、ほぼ、URLの話と思って良いでしょう。
ホームページやネットショップを使って古物取引を行う場合、そのURLを申請書に記載したうえで、そのURLを使う権限が自分にあることを示す資料を添付しなければなりません。
根拠になっているのは、古物営業法施行規則の第1条の3です。
(許可の申請)第一条の三
古物営業法施行規則(e-GOV法令検索より引用)
3 法第五条第一項の国家公安委員会規則で定める書類は、次のとおりとする。
(一号から四号まで略)
五 取り扱う古物に関する事項を電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供し、その取引の申込みを第二条の二に規定する通信手段により受ける営業の方法を用いようとする者にあっては、当該古物に関する事項に係る自動公衆送信の送信元を識別するための文字、番号、記号その他の符号(以下「送信元識別符号」という。)を使用する権限のあることを疎明する資料
条文に出てくる「送信元識別符号」というのが、いわゆるURLのことです。
ポイント:古物商許可申請書の別紙第1号その4の添付書類として必要
具体的には古物商許可申請書類にある
この電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供する方法を用いるかどうかの別
に、「1.用いる」に丸をつけた上で、利用するHPのURLを記載し、提出する必要があります。

つまり「そのURLを使う権限があることを疎明する資料」=疏明資料、というわけです。
ポイント:URLの届出が要るかどうかの判断は必要
ネット上にページを持っていれば必ず届出が必要になるわけではありません。
そのページで取引の申込みを受けるかどうかで判断が分かれます。
どんな場合に届出が必要になるかは、下記の記事で詳しく解説しています。

②URLの疏明資料として求められる資料の例
では実際にどんな資料が求められるのか、ケース別に整理します。
ケース別・疏明資料として使える資料
- 自社ホームページ(独自ドメイン):プロバイダー等が発行したドメイン割当通知書/ドメイン登録確認メールのコピー/WHOIS検索の結果を印刷したもの
- 自社ホームページで所有者と申請者が違う:上記に加えて、所有者が申請者に使用を認める「URL使用承諾書」
- ストア出店(メルカリShops・ヤフオクストア・楽天市場・Amazon大口出品など):ストアのプロフィールページを印刷したもの
- メルカリ・ヤフオクの一般アカウント:マイページを印刷したもの
ポイント:URLの疏明資料に必要な情報は「URL」「申請者名」「ページの中身」
どのケースでも共通して求められるのは、印刷した紙を見ただけで次の3つが分かることです。
URLの疏明資料に必要な情報
- URLそのものが紙面に印字されていること
- 申請者本人(法人の場合は法人名)の名前や住所など本人の情報が確認できること
- そのページが実際に古物取引に使われるページだと分かること
この3つが1枚に収まっていないと、そろえ直しを求められることになります。
ポイント:具体的な作り方は各記事で解説しています
利用者の多いメルカリ・ヤフオクについては、画面のどこを印刷すればよいかを1ステップずつ解説した記事を用意しています。
3.よくある不備・差し戻しの理由

疏明資料そのものは難しい書類ではありませんが、単純な作り方のミスで差し戻しになるケースが非常に多いのがこの書類の特徴です。
当事務所でご相談を受ける中でよく見かけるものを挙げておきます。
①スクリーンショットにURLが写っていない
いちばん多いのがこれです。
スマホアプリの画面をそのままスクリーンショットすると、アドレスバーが表示されないためURLが写りません。
パソコンのブラウザで開くか、アプリの共有メニューからURLを表示させて、URLが紙面に印字された状態で印刷してください。
②他の端末からアクセスできないURLを出してしまう
ポイント:提出前に別の端末でURLを打ち込んで開けるか試す
ログイン中の自分の端末でしか開けないURLだと、警察署側でページを確認できず差し戻しになります。
提出する前に、別の端末やシークレットウィンドウでそのURLを直接入力し、同じページが表示されるか確認しておくと安心です。
③ページの名義と申請者が一致していない
個人名義で運営していたショップをそのまま法人の申請に使う場合など、ページに表示されている名義と申請者が食い違っていると、そのままでは使用権限があると判断してもらえません。
この場合は「URL使用承諾書」を添えるか、ページ側の表示名を申請者に合わせておく必要があります。
④申請の時点でサイトがまだ完成していない
ポイント:未完成なら、完成後に改めて届け出ればOK
申請時点でホームページが未完成の場合、警察署としても中身を確認できないため、その段階では届出は不要とされています。
無理に作りかけの画面を提出するのではなく、サイトが完成してから変更届で改めて届け出ましょう。
⑤警察署によって追加の資料を求められることがある
管轄警察署によっては、URLの疏明資料に加えて、その営業所と申請者が結びつくことが分かる資料を求められることがあります。
求められる資料には警察署ごとの運用差があるため、申請前に管轄警察署の生活安全課へ確認しておくのが確実です。
4.まとめ
以上、【古物商許可】疏明資料とは?について解説しました。
古物商許可は簡単に申請できると思いがちなのですが、慣れていないと非常に時間がかかってしまいます。
申請書類の記載内容を間違えていたり、不足書類があったりすると、再度提出が必要です。
ポイント:警察署に最低2回はいく必要がある
その上、提出先は警察署。提出は平日のみ。休日は受け付けてくれません。
さらに、申請と許可証の受領で平日に最低でも2度は警察署へ足を運ばないといけません。
普段の業務を行いつつ、申請書類の作成する時間や警察署に平日に行く時間などなかなか作れないのではないでしょうか?
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